マインドフルネスの実践で、特におススメするのは、「歩く瞑想」と「食べる瞑想」です。
ここで先に、マインドフルネス瞑想について、少し記します。
今この瞬間に意識を向ける、それには訓練が必要です。
今、何を考えていますか?
人間の脳は、常にいろんなことに囚われしまいます。
それは、過去の後悔や、未来の不安、何もせず、思いのまま放置すれば、これらで一杯になるでしょう。
それも次から次へと、これでもか、というぐらいにやってきます。
でも、驚かないでください。
それが、当たり前なのです。
だから、脳はもっと休ませてほしい。
もう、酷使して疲れ切っています。
そういう時、横になって休むことが有効、いえいえ違います。
「デフォルト・モード・ネットワーク」という言葉を聞いたことありますか?
これは、活動的な思考を行わないときに無意識に脳が行う脳内ネットワークの活動のことを言います。
人間の脳は、休んでいるときには、ほとんどエネルギーを消費しない状態と考えられていたが、最新の研究では意識的な活動時に使用されているエネルギーの20倍を消費しているとのことです。
そう、実はこの「デフォルト・モード・ネットワーク」によって脳はさらに疲弊するので、ここから脳を休めることが必要となります。
そこで有効とされるのが、マインドフルネス瞑想です。
今この瞬間へ意識を集中する技術、思考や感情など、心身で起きていることを観察し、ありのままを受け入れ、コントロールすることが可能となる。
このマインドフルネスの実践により、ストレスになりにくい脳、気づきや意思決定に関わる脳の活性につながり、それは、前向きな行動に意識を集中することが出来ます。
マインドフルネスの実践手法として、「瞑想」があります。
まず最初に、座って自分の呼吸に意識を向ける瞑想が、一般的にイメージされやすいですが、瞑想は座ってこの形だけではありません。
そもそも、生活のすべてがマインドフルネスの実践です。
禅の修行は座るだけでなく、生活のすべてが禅である。
曹洞宗では、そのそれぞれに作法があって、何百年と修行にて伝えられてきたことと重なります。
今この瞬間に意識を向ける訓練として「歩く瞑想」は、座って呼吸に意識を向けるよりも、初めての方にとっては、わかりやすいように思います。
【実践手法】
裸足になって床の上に立つ。
立っている時の、足の裏に意識を集中、感じて下さい。
重心はどうですか?
右足?、左足? どうですか?
一歩、前に足を出してみましょう。
左足を踏みしめて、右足をあげる、ゆっくりと。
さぁ、右足を地面に着地、まず、かかとがついて、ゆっくり全体、そして指先に。
感覚を感じて下さい。
次に左足を前に、先ほどの右足と同じように感触を味わってください。
足の裏の感触、次に足の筋肉の状態も感じましょう。
ひざは?、太ももは?
身体の重心はどんな感じで移動していますか?
今の身体の状態を観察して下さい。
そう、観察して、実際に感じて下さい。
感じることに意識を向けます。
感じることです。
考えることではありません。
頭で考えない。
身体で感じます。
このようにしてなんども床の上をゆっくり歩いて往復します。
そして今の身体から意識が反れたら、またその感覚を足の裏に戻します。
こうして繰り返し。
歩くという行動そのものが、意識しやすいのでは、そのように思います。
慣れてくれば、歩く速度を少し早くしてもかまいません。
ゆっくり歩く感じ、それができれば、外で実践するのもおススメです。
但し、それは安全な場所でなら、ということです。
例えば車が来ない、信号もないような公園の歩道などに限ります。
また、あまりにゆっくり歩くと、変な人?
そう思われるかもしれません。
公園などでは、全然かまわないかも?
太極拳の練習されている方も、歩いてないけど、同じ感じ。
理屈云々より、まずは実践して下さい。
最初は感じなくとも、どうぞ続けて下さい。
ある日、ある時、変化にきっと気づく、感じるときがやってきます。
それを楽しみに、実践を続けてみましょう。