書籍紹介

書籍紹介「脳の再起動スイッチ」

マインドフルネスのテクニックを「気軽に取り入れられる」そして「続けられる方法」として具体的に述べられているので、実践するのに大変わかりやすい。
そして、なぜわかりやすいか、それはその前に、脳の働き・機能についてイラスト等にて平易に説明がなされているからである。

【脳のしくみ】
脳には、急激な変化を嫌う、という性質がある。
なぜか?
私たちの身体にはホメオスタシス(恒常性)が働いているから。
なので、人間の身体の基本設計は、元に戻ろうとする力が強い。
ここ、大事です。
脳が恐れずに受け入れてくれるのは、ゆっくり時間をかけて慣らしていくこと。
習慣が変われば、脳が変化していくことを理解しておく。

<脳の三層構造>
脳は、生命維持をつかさどる「脳幹」の上に、動物的本能や感情をつかさどる「大脳辺縁系」が覆い被さるようにあり、その上にさらに理性や知性をつかさどる」大脳新皮質」という層がある。

前出の、脳には、急激な変化を嫌う、という性質、これは大脳辺縁系にある「偏桃体」の反応。
偏桃体は、五感を通じて脳に入った情報に対して、恐怖、不安、緊張、悲しみや喜び、痛みや快・不快の感覚、好き・嫌いの感情、情動の処理を行っている。
記憶をつかさどる海馬、もっとも高次な情報処理をする前頭葉。
特に偏桃体と海馬は近い位置にあり、常に情報のやりとりを行っている。

【実践例】
そのなかでも、情報ストレスと膨大な課題に押しつぶされそうになった時に、自分を助ける方法として紹介されている。

大きなプレッシャー、緊張と不安で脳が埋め尽くされて、集中できなくなる時、そんなときには、まず「今、脳で何が起こっているか」に気づくこと。
まさに囚われた状態、プレッシャーからの不安に偏桃体が大騒ぎしていることに気づいたら、それを受け入れ、もっとそのことに興味もって、こんなアプローチが紹介されてます。

偏桃体の気持ちになってみる。
偏桃体は赤ちゃんのようなイメージ。
そう、怖いと思ったら泣き叫び、怖い思いをしていることに気づいてほしくて、面倒を見てほしくてたまらないと考える。
お母さんになった気持ちで、こんなふうに声をかける。
「わかったよ。そう感じているんだね。でも大丈夫。落ち着こう!」

ここを読んで、思い出した。
自分が禁煙したときに思ったこと、自分のなかのもう一人の自分との対話。
あるいは「ちっちゃいおっさん」、他には「インナーチャイルド」など。

具体的な手法については、この書籍を読んでいただくこととして、直感的に参考になったことを次にあげる。

【最も扱いにくい感情「怒り」のコントロール法】
・怒りの感情にすぐに反応しない
⇒まずが「気づいて、受け入れる」をやってみて。

・相手への期待値を下げる
⇒怒りの原因は、あなたの勝手な期待かもしれません。

・見方を広げる
⇒相手の一部分を凝視しているのかも。もっと広く見てみませんか?

・怒りのパターンを解析する
⇒パターンから抜け出すことに興味を持ちませんか?

脳の再起動スイッチ(著者:久賀谷 亮)